こんにちは。ノマド家族のぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
2023年4月、我が家はマレーシア移住をはたし、クアラルンプールで暮らしています。
海外居住者となってしまうと、日本の銀行や証券会社が利用できなくなると知り、居住国によらず無料(条件付き)で口座維持ができるアメリカの銀行口座(旧ユニオンバンク)と証券口座(Firstrade証券)の口座開設しました。
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投資の世界では、適切な資産配分(ポートフォリオ)が成功の鍵を握ります。
しかし、どの資産にどれだけ投資すべきか、その決定は容易ではありません。そこで役立つのが、ポートフォリオビジュアライザーです。
本記事では、このパワフルなツールの使い方と活用法を詳しく解説していきます。
ポートフォリオビジュアライザーとは?
ポートフォリオビジュアライザーは、投資家が自身の資産配分戦略を検証し最適化するためのウェブベースツールです。
このツールを使用することで、過去のマーケットデータを基に、さまざまな資産配分のパフォーマンスをシミュレーションすることができます。
利用料金
基本機能は、ログインなし&無料で利用可能です。
機能 | 無料 | ベーシック | プロ |
---|---|---|---|
料金(年払) | 無料 | 年額360ドル (月額30ドル) | 年額660ドル (月額55ドル) |
利用目的 | 個人&教育用 | 個人&教育用 | 商用 |
ログイン | ❌ | ✅ | ✅ |
基本機能 | ✅ | ✅ | ✅ |
データ保存 | ❌ | ✅ | ✅ |
エクスポート機能 | ❌ | ✅ | ✅ |
カスタムレポート | ❌ | ❌ | ✅ |
高度な機能 | ❌ | ❌ | ✅ |
ポートフォリオビジュアライザーの2つの便利ツール
ポートフォリオを検討する際は、以下の2つの機能を利用して検討するのが良いと思います。
①「Asset Class Allocation」で資産区分を決める。
②「Backtest Portfolio」で具体的な投資商品を決める。
Asset Class Allocation
アセットクラス・アロケーションは、投資ポートフォリオの大まかな構造を決定するために使用されます。
株式、債券、不動産投資信託(REIT)、コモディティなどの広範な資産区分の割合を設定できます。
例えば、株式80%:債券20% v.s. 株式50%:債券50%といった具合に、資産配分の割合で比較します。
このツールを使用することで、投資家は自身のリスク許容度や投資目標に応じた最適な資産区分の組み合わせを見つけることができ、長期的な投資戦略の基盤を形成するのに適しています。
Backtest Portfolio(Asset Allocation)
バックテスト・ポートフォリオは、実際の投資商品でポートフォリオを構築し、そのパフォーマンスをテストするために使用されます。
このツールでは、具体的なETF(VOO、BND、GLD)や個別株(AAPL, MSFT, AMZN)を選択し、それぞれの配分比率を決定します。
具体的な銘柄の過去のパフォーマンスから、ポートフォリオ全体のリターン、リスク、下落率などの指標を分析することができます。
このツールを使用することで、投資家は自身の投資戦略をより詳細に実装し、過去のデータに基づいてその効果を検証することができます。
比較表
以下に、2つのツールのの主な特徴を比較した表を作成します。
特徴 | Asset Class Allocation | Backtest Portfolio Asset Allocation |
---|---|---|
対象 | 広範な資産区分 | 具体的な投資商品 |
詳細度 | 大まかな構造 | 詳細な構成 |
使用目的 | 全体的な戦略立案 | 具体的商品の 過去の成績検証 |
ポートフォリオビジュアライザーの使い方
資産配分の入力
- 各資産クラスの選択と比率の設定
“Asset Class”から資産区分を選択(例:US Stock Market, US Total Bond Market)
各資産クラスの横に配分比率を入力(合計100%になるよう注意) - 複数のポートフォリオ比較のテクニック
Portfolio #2, #3 欄を使用すれば、最大3つのポートフォリオを設定可能
例:保守的、バランス型、積極的な3つの配分を比較
- ETFや個別銘柄の追加方法
「Backtest Portfolio」では、”Symbol”を入力することで候補となる銘柄が選択できます。
例:SPY, AGG, VTI
基本的な使用方法の流れは、次のスライドもご参照ください。
設定変更(Settings)
必要に応じて、分析の設定を変更してください。
- 分析期間の設定
ツールの上部で「Start Date」と「End Date」を選択します。
例:1995年1月から2024年3月まで - 初期投資額と追加投資の入力
“Initial Amount”で、初期投資額を入力(初期値:1万ドル)
“Cashflows”で、定期的な追加投資を設定可能 - リバランス頻度の選択
“Rebalance”で、年次、月次などのリバランス頻度を選択
ポートフォリオビジュアライザーの分析結果の読み方【日本語訳】
Start Balance | 開始残高 |
End Balance | 終了残高 |
Annualized Return (CAGR) | 年率リターン (複利年間成長率) |
Standard Deviation | 標準偏差 |
Best Year | 最高リターン |
Worst Year | 最低リターン |
Maximum Drawdown | 最大下落率 |
Sharpe Ratio | シャープレシオ |
Sortino Ratio | ソルティノレシオ |
ポートフォリオビジュアライザーのココが便利!
複数の資産配分を同時に比較可能
ポートフォリオビジュアライザーの最大の特徴の一つは、最大3つの異なるポートフォリオを同時に分析し、そのパフォーマンスを比較できる点です。
この機能により、投資家は様々な資産配分戦略の効果を直接比較することができます。
例えば、保守的な60/40(株式60%、債券40%)のポートフォリオと、より積極的な80/20のポートフォリオ、さらに国際分散ポートフォリオなどを同時に分析することが可能です。
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長期的なパフォーマンスを視覚的に確認
投資は長期的な視点が重要ですが、ポートフォリオビジュアライザーはこの長期的なパフォーマンスを視覚的に確認する強力な機能を提供しています。
ユーザーは数十年にわたる投資結果をグラフや表を通じて一目で把握することができます。
例えば、1970年代から現在までの50年以上の期間で、異なる資産配分戦略がどのようなパフォーマンスを示したかを確認できます。この長期的な視点は、短期的な市場の変動に惑わされることなく、真に効果的な投資戦略を立てる上で非常に重要です。
リスクとリターンのバランスを分析
投資において、リターンを最大化するだけでなく、リスクとのバランスを取ることが重要です。
ポートフォリオビジュアライザーは、シャープレシオやソルティノレシオなどの高度な指標を用いて、リスク調整後のリターンを評価する機能を提供しています。
シャープレシオは、リスクフリーレートを上回るリターンを標準偏差で割った値で、投資効率を示す指標です。一方、ソルティノレシオは、下方リスクのみを考慮した指標です。
これらの指標を使用することで、投資家は単純なリターンの比較だけでなく、取っているリスクに見合ったリターンを得ているかどうかを客観的に評価できます。
無料版でも十分な機能を利用可能
ポートフォリオビジュアライザーの魅力の一つは、基本的な分析機能が無料で利用できることです。
無料版でも、50までの資産区分または銘柄を含むポートフォリオの分析が可能で、使用できない機能はデータの保存やエクスポートなど、一部の機能に限定されます。
これらの機能は、多くの個人投資家にとって十分な分析深度を提供します。
ポートフォリオビジュアライザーのデメリットと対策
【対策】上場日以降でしか検証できない
問題点:新しいETFや商品は長期データが不足
対策
- 類似の指数データを使用してバックテスト
- 複数の短期間データを組み合わせて長期トレンドを推測
【対策】英語版のみ
問題点:日本語インターフェースがない
対策
- 主要な用語の日本語対訳リストを作成して参照
- Googleクローム等の翻訳機能を活用
Portfolio Visualizerは超便利なバックテストツール
本記事では、このパワフルなツールの使い方と活用法を詳しく解説しました。
ポートフォリオビジュアライザーは、投資戦略を客観的に評価し、最適化するための強力なツールです。
過去のパフォーマンスが将来の結果を保証するものではありませんが、このツールを活用することで、より情報に基づいた投資決定を行うことができます。
効果的な活用のためのベストプラクティス:
- 定期的に戦略を見直し、市場環境の変化に適応する
- 単一の指標だけでなく、複数の観点からポートフォリオを評価する
- バックテスト結果を絶対視せず、将来の不確実性も考慮に入れる
投資は長期的な取り組みです。ポートフォリオビジュアライザーを活用しながら、自身の投資目標に合わせて戦略を継続的に調整していくことが、成功への近道となるでしょう。
ではまた!
よくある質問 – FAQs
「最適な」資産配分は存在するのか?
「最適」な配分は投資家の目標、リスク許容度、投資期間によって異なります。ポートフォリオビジュアライザーは様々な配分を比較するツールであり、個々の状況に応じた判断が必要です。
バックテスト結果をどう解釈すべきか?
過去のパフォーマンスは将来の結果を保証するものではありません。バックテスト結果は参考情報として扱い、他の分析や将来の見通しと併せて判断することが重要です。
有料版と無料版の違いは?
有料版では、より多くの資産を分析できる他、高度なモンテカルロシミュレーションやファクター分析などの追加機能が利用可能です。個人投資家の多くは無料版で十分な分析が可能です。
データの更新頻度は?
ポートフォリオビジュアライザーのデータは通常、毎日更新されます。ただし、一部の特殊な資産やデータソースによっては更新頻度が異なる場合があります。
ポートフォリオビジュアライザーを活用して、より良い投資決定を行いましょう。定期的な分析と戦略の見直しが、長期的な投資成功の鍵となります。