こんにちは。ぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
2023年4月、我が家はマレーシア移住をはたし、クアラルンプールで暮らしています。
海外居住者となってしまうと、日本の銀行や証券会社が利用できなくなると知り、居住国によらず無料(条件付き)で口座維持ができるアメリカの銀行口座(旧ユニオンバンク)と証券口座(Firstrade証券)の口座開設しました。
関連記事
>> 米国ネット証券会社「Firstrade」口座開設方法【15分で完了】
>> Firstradeへの送金にも使える!プレスティアSMBC信託銀行が意外とイケてる理由
>> 海外送金Wise(ワイズ)の魅力とは?海外移住者が選ぶ3つの理由
米国のインフレがとどまることを知らず、FRBは11月に4回連続 0.75ポイント引き上げを決定しており、金利の誘導目標は3.75〜4.00%まで上昇。
この間、利回りと反対方向に動く債券価格は下落の一途をたどっており、多くの債券ファンドが「債券の買い時」を探り始めています。
米国では500を超える債券ETFが取引されていますが、今回はその中でも配当率が超高い(訳あり)上位7つの高配当債券ETFをピックアップし、紹介したいと思います。
関連記事
>> 今、学ぶべき債券ETFの「基本と魅力」おすすめ米国債券ETF
※本記事は2022年11月時点の情報です
米国で人気の超高配当債券ETF 7本を比較
まずは7つの超高配当債券ETFの主要スペックを運用資産額順に並べて比較してみましょう。
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
PHYL | 86M | 8K | 464 | 0.53% | 7.27% | -0.8% | -16% | -0.05 | 1M |
HYLD | 86M | 9K | 208 | 1.16% | 6.81% | -2.1% | -26% | -0.07 | -6M |
GTO | 55M | 141K | 773 | 0.50% | 7.96% | -3.8% | -20% | -0.56 | -101M |
LKOR | 35M | 5K | 380 | 0.22% | 6.96% | -8.7% | -32% | -0.61 | -4M |
WBND | 31M | 18K | 515 | 0.45% | 6.48% | -7.7% | -28% | -0.71 | -47M |
TYD | 24M | 58K | 5 | 1.07% | 11.01% | -15.8% | -55% | -0.71 | 10M |
HYUP | 12M | 3K | 606 | 0.20% | 7.59% | -1.9% | -18% | -0.11 | -6M |
※成長率、下落率、シャープレシオは、PortfolioVisualizer 参照。
利回り11%超えの断トツで高配当は「TYD」です。ただし「TYD」は、レバレッジ3倍のETFなので、価格変動も通常の3倍以上となる高リスクETFなので、長期保有目的の購入ではオススメできません!
その他のETFの利回りについては、7%前後となっていますが、細かな数値が違うので、それぞれ詳しく見ていきたいと思います。
まずは、改めて「債券価格と金利の関係」について理解しておきましょう!
債券価格と金利の関係
債券価格は、将来の金利(予測)に基づいて変動します。
金利が上昇(≒好景気) ▶ 債券価格下落 = 利回り上昇
金利が低下(≒不景気) ▷ 債券価格上昇 = 利回り低下
① 金利の上昇が予測され、価格下落時に債券を購入。
② 景気が悪化(≒デフレ)し、金利の低下が予測され、価格上昇時に債権を売却。
③ 金利の低下≒不景気なので、債権の売却資金で価格下落した株を購入。
好景気で金利の上昇が予測され、、、①に戻る
という流れで、リバランスを繰り返せるのが理想ですね。
今から約1年後の2023年11月の政策目標金利は4.5〜4.75%と予想されています。
つまり、政策金利の利上げは、ほぼ最終段階にあるとも考えられており、投資家たちが「債券の買い時」を探っているのが現状です。
PHYL|PGIM アクティブ 高配当債券 ETF
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
PHYL | 86.3M | 8K | 464 | 0.53% | 7.27% | -0.8% | -15.9% | -0.05 | 1M |
「PHYL」は、生命保険で有名なプルデンシャルグループが運用する高配当ジャンク債ETFです。
米ドル建ての公社債を中心にしつつ、最大20%の外貨建債券も含まれます。
資産総額は、高配当債券ETFとしては中規模(約90本中45位前後)ながら、運用成績は比較的安定しており、資金流入もかろうじてプラスをキープしています。
とは言え、直近では割安感も出てきており、再び資金が流入し始めています。
RINC|不動産インカム ETF ※HYLDからリブランド
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
RINC | 76.8M | 16K | ? | 0.89% | 9.59% | – | – | – | – |
HYLD | 85.7M | 9K | 208 | 1.16% | 6.81% | -2.1% | -25.5% | -0.07 | -6M |
「HYLD」は、2010年に設定された古参の高配当ジャンク債でしたが、2023年8月、債券から不動産投資のインカムゲインを狙うETF「RINC」へとリブランディングされました。
正式発表 PDF
>> August 25, 2023 High Yield ETF – 「HYLD」Change 「New Symbol: RINC」
GTO|Invesco トータルリターン債券 ETF
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
GTO | 55.4M | 141K | 773 | 0.50% | 7.96% | -3.8% | -19.8% | -0.56 | -101M |
「GTO」は、QQQでおなじみインベスコ社のアクティブ運用の総合債券ETFです。
最大1/3の割合でジャンク債に投資されるため、不良債権を保有する可能性が比較的高い債券ETFです。
LKOR|FlexShares 信用スコア 米国長期社債 Index Fund
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
LKOR | 35.3M | 5K | 380 | 0.22% | 6.96% | -8.7% | -32.1% | -0.61 | -4M |
「LKOR」は、米国の投資適格企業が発行する満期10年以上の長期社債に限定された社債ETFです。
債券発行企業を独自指標で評価し、信用スコア化。スコアの高い債券の割合を高くすることでポートフォリオのリバランスを行っています。
アクティブ運用としては、経費率は安いものの、他よりも価格下落幅が大きく、安定性は期待できません。
WBND|Western Asset トータルリターン ETF
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
WBND | 30.7M | 18K | 515 | 0.45% | 6.48% | -7.7% | -27.6% | -0.71 | -47M |
「WBND」は、広範囲な債券にアクティブに投資する総合債券ETFです。
特筆スべき点は特に見当たりませんでした^^;
TYD|Direxion Daily 7-10年国債 レバレッジ3倍 Shares
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
TYD | 23.9M | 58K | 5 | 1.07% | 11.01% | -15.8% | -54.9% | -0.71 | 10M |
「TYD」は、レバレッジETFを中心に販売するディレクションが運用する中期国債レバレッジ3倍ETFです。
利回りの高さは、他の商品よりも価格下落の幅が大きかったことが原因だと考えられるので、この利回りだけを見て投資を決めるのはご法度です!
一方、レバレッジ3倍は価格上昇時にも反映されるので、直近半年の資金流入では大きくプラスに転じており、市場も債券価格の転換が起こると予想していることが伺えます。
HYUP|Xtrackers High Beta 高配当債券 ETF
銘柄名 | 資産 総額 | 月平均 出来高 | 銘柄数 | 経費率 | 分配金 利回り | 2年平均 成長率 | 2年最大 下落率 | シャープ レシオ | 直近半年 資金流入 |
HYUP | 11.5M | 3K | 606 | 0.20% | 7.59% | -1.9% | -18.2% | -0.11 | -6M |
「HYUP」は、中期ジャンク債に投資する高配当債券ETFです。
ジャンク債ETFの記事で紹介した「HYLB」と同シリーズの商品ですが、債券期間がより長い分、ハイリスク・ハイリターンなETFとなっています。
米国超高配当債券ETFの購入方法
残念ながらハイリスクな超高配当債券ETFは、2022年11月時点、国内証券会社での取扱はないようです。
シンボル | Firstrade証券 | 楽天証券 | SBI証券 | DMM 株 |
PHYL | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
HYLD | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
GTO | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
LKOR | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
WBND | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
TYD | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
HYUP | ◎ | ✕ | ✕ | ✕ |
米国ETF 取扱数 | 全銘柄 (2千以上) | 400+ | 400+ | 290+ |
取引手数料や口座維持費が無料のFirstrade口座開設をご検討の方はこちらの記事も合わせてどうぞ!
関連記事|海外移住後も米国株を売買したい方
>> 米国Firstrade(ファーストレード)証券 口座開設方法【15分で完了】
>> Firstrade証券への送金・入金方法の全体像【初心者&少額投資向き】
関連記事|日本居住者として米国株を売買したい方
手数料が割安 >> ウィブル証券
ウィブル証券の評判とは?日本投資家のゲームチェンジャーとなるのか?
結論 保有中の債券ETFを地道に積み足す
今回は「配当率が超高い(訳あり)上位7つの高配当債券ETF」を紹介しました。
ボクの場合は、既に保有中の債券ETFが値下がり中なので、、、
あえて種類は増やさずに保有済みの債券ETFを中心に買い始めてみたいと思います。
ではまた!
総合債券ETF比較【BND/AGG/BNDX/BSV/BIS】
国債&社債をバランスよく配合した米国で人気の総合債券をまとめて比較してみました!
他にも魅力的な「米国債券ETF」を比較しています!
債券ETF
米国の証券会社で購入可能な債券ETF【国債・社債・ジャンク債・新興国ソブリン債etc】を比較してまとめです。