こんにちは。ぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
2023年4月、我が家はマレーシア移住をはたし、クアラルンプールで暮らしています。
海外居住者となってしまうと、日本の銀行や証券会社が利用できなくなると知り、居住国によらず無料(条件付き)で口座維持ができるアメリカの銀行口座(旧ユニオンバンク)と証券口座(Firstrade証券)の口座開設しました。
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我が家のポートフォリオの約20%を占める債券ETFは、2023年の金融情勢を見通したい投資家にとって、いま学ぶべき商品の一つです。
債券ETFの価格は金利が上がると価格が下る傾向があります。(理由は後述)
そんな中、米国政策金利は急上昇し、債券価格も大きく値下がりしています。
今後の景気後退や物価の安定が予想される中、現状の金利が維持できなくなれば、金利が下がる=債券価格の上昇を期待することもできます。
そこで、この記事では、今学ぶべき「債券ETFの基本と魅力」について解説します。
債券ETFとは?
債券ETFは、複数の債券の詰め合わせパックです。
債券は、国債・社債・地方債など、発行者によって種類が異なり、また期間(短中長)や地域(米国・先進国・途上国)によっても、利回りやリスクが変化します。
現在、米国市場に上場するETF(約3,000銘柄)のうち、約600銘柄が債券ETFであり、純資産上位100銘柄中、約1/4が債券ETFとなっています。
債券ETFは、多くの投資家のポートフォリオにとって、欠かせない人気の商品となっています。
定義および説明
- 債券ETFは、株式市場で取引される債券の集合体である。
- 様々な種類の債券が含まれるため、分散投資が可能である。
- 高い流動性があり、投資家は容易に売買できる。
含まれる債券の種類
- 国債: 政府によって保証され、裏付けされている。
- 社債:企業が発行するもので、利回りが高く、リスクも高い。
- 地方債: 地方政府によって発行され、多くの場合非課税である。
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メリットとリスク
債券ETFには、次のようなメリットとリスクがあります。
メリット
1〜4に関しては、インデックス指数に連動するETF全般に言えるメリットです。ETFを活用することで、余計なコスト・手間・リスクを縮小した資産管理をすることができます。
中でも分散化に関しては、債券を利用することで、資産全体の価値を安定させる効果が期待できます。
なぜなら債券は、歴史的に株式と負の相関関係があり、株価の暴落に対し、債券が値上がりすることで、資産全体のダメージを軽減することができます。
5に関して、多くの債券ETFは毎月配当金が支払われるので、着実な資産の増加を実感できます。
リスク
リスクを把握しておくことは、資産管理において重要な要素の一つです。
債券ETFに投資する前に、次の3つのリスクを把握しておきましょう。
債券ETFを買う最適なタイミング
債券価格は、一般的に金利が上昇すると価格が下落する相関関係があります。
つまり、債券ETFを買う適切なタイミングは、金利が上限に到達した時と言えます。
source: tradingeconomics.com
source: https://data.oecd.org
パンデミック後、米国政府は多額の経済支援のために政策金利を大幅に下げ、さらに世界経済停滞による供給不足も重なり、大幅な物価物価上昇(インフレ)が進みました。
今度は、急激な物価上昇を抑えるために、米国政府が政策金利を急速に上げたことにより、インフレ率は改善され、2023年6月のインフレ率は3%を下回り、許容範囲の水準まで戻ってきていると言えます。
今後の金利に関しては、現状維持、もしくは利下げが進むのでは?との予測もあり、経済が安定すれば、今は最も債券は購入しやすい時期と考えられます。
具体的な期待リターン
一般的には、金利が1%上がると、債券価格は3〜5%下落するとされています。
これは、平均的な債券の償還期間が3〜5年ということから逆算し、その間にもらえる利息(年間1%)分がそのまま価格に反映される結果です。つまり、債券の償還期間が長いほど、価格の下落も大きくなります。
つまり、もし利下げが始まった場合、償還期間の長い長期国債の値上がりが期待できます。
例えば、コロナショック後の2020年3月導入された事実上のゼロ金利政策により、金利が1%引下げられ、長期国債連動ETF『TLT』は、約20%暴騰しました。
米国債券ETF – 純資産総額ランキングBEST10
2023年8月時点、米国債券ETFの純資産総額順トップ10は次の通り。
カテゴリ | Symbol | 純資産 (B) | 取引量 (M) | 経費率 | 価格 | 配当 利回り | 配当頻度 |
総合債券 | BND | $95.3 | 5.3 | 0.03% | $71 | 2.94% | 毎月 |
総合債券 | AGG | $93.8 | 7.5 | 0.03% | $95 | 2.98% | 毎月 |
ジャンク | BNDX | $50.9 | 2.2 | 0.07% | $48 | 1.92% | 毎月 |
社債 | VCIT | $40.0 | 4.9 | 0.04% | $77 | 3.59% | 毎月 |
米国債 | TLT | $43.5 | 25.7 | 0.15% | $93 | 3.33% | 毎月 |
社債 | VCSH | $36.4 | 4.3 | 0.04% | $75 | 2.71% | 毎月 |
社債 | LQD | $36.8 | 19.9 | 0.14% | $104 | 3.97% | 毎月 |
総合債券 | BSV | $33.7 | 3.0 | 0.04% | $75 | 2.03% | 毎月 |
地方債 | MUB | $32.7 | 2.1 | 0.07% | $105 | 2.53% | 毎月 |
米国債 | IEF | $29.0 | 7.1 | 0.15% | $93 | 2.68% | 毎月 |
これらの債券ETFは、いずれも安定した人気があり、平均して2〜3%ほどの配当金を受け取ることができます。
債券ETF投資が初めての方には、純資産総額の2トップ『BND』『AGG』の利用がオススメです。
この2商品の違いは些細なものですが、気になる方は「BNDとAGGの違い」をご参照ください。
個別のリスクとリターンを検討し、最適な債券ETFをお探しの方には、カテゴリ別に比較して紹介しているので、興味のあるテーマをご覧ください。
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正しい債券ETFの選び方
適切な債券ETFを選ぶには、投資目標、リスク許容度などを慎重に分析する必要があります。
投資目標の理解
短期的な利益 vs. 長期的な安定性
短期|戦術的な動き、より高いリスク
長期|戦略的計画、低リスク
不労所得 vs. 資本増加
不労所得|債券ETFが適している
資本増加|株式ETFが適している
リスク許容度の評価
保守的、積極的、または中程度
保守的|インデックス連動で低コスト
積極的|低格付けでハイリスク・ハイリターン
中程度|組み合わせによる分散
資産ポートフォリオ内のバランス
現金|一定期間の生活費や確定した支出分
株式|一般にハイリスク・ハイリターン
債券|一般にローリスク・ローリターン
結局はポートフォリオ(組合せ)が大事!!
上記のような理論を頭で分析するのは至難の業ですし、債券ETF単体で自分に最適な商品を選定するのはぶっちゃけ困難です。
さらに、資産運用における最重要事項は、具体的な商品選びではなく、その配分(ポートフォリオ)であると言われています。
もし、ご自身のポートフォリオが固まっていないようでしたら、次の記事を参考に検討しておきましょう!
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債券ETFでポートフォリオの防御力強化!!
この記事では「債券ETFの基本と魅力」について解説しました。
投資における未来予測は誰にもできませんが、長期的に分散した保有を前提とするならば、株式も債券もリターンをもたらしてくれる商品です。
一方、現金(特に日本円)は、高いイフンレ率に対し、わずかな利息しか受け取ることができないため、使わない余裕資金として補完する方法としては、あまり良い選択肢と言えません。
株式投資が不安な方にとって、リスクの少ない債券(ETF)の購入を検討してみることは、資産形成の第一歩として、良い選択肢の一つだと思います。
ではまた!
債券ETFに関するよくある質問 – FAQs
債券ETFに投資する主な利点は何ですか?
A: 低コストで、資産ポートフォリオに分散性、流動性、柔軟性を取り入れられることです。また、毎月の分配金で生活費を安定的に拠出したい場合にも便利な選択肢となります。
Q: 債券 ETF は安全ですか?
A: 一般的に株式よりも安全であると考えられていますが、金利リスクや信用リスクなどのリスクを伴います。
Q: 債券 ETF への投資を始めるにはどうすればよいですか?
A: オンラインの証券会社を利用することで、手軽に取引することができます。
投資に関する免責事項:本記事で提供される情報は、情報提供を目的としたものであり、法律や財務に関するアドバイスとして考えるべきではありません。あなた自身のニーズに最も適したものを決定するためには、専門家や弁護士に相談するべきです。本記事に掲載された情報に従う結果について、執筆者は何ら保証するものではありません。また、本記事における知識の使用や適用から生じた責任も免責します。投資にはリスクが伴います、元金の損失の可能性を含みます。過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。歴史的リターン、予想リターン、確率的な予測が実際の将来のパフォーマンスを反映していない場合があります。全ての証券にはリスクが伴い、損失を招く可能性があります。私たちが使用する第三者からのデータは信頼性があると信じられていますが、提供されたデータの正確性や完全性を保証するものではありません。本記事は証券の購入や売却を勧誘または推奨するものではありません。執筆者は登録投資顧問ではありません。