こんにちは。ノマド家族のぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
2023年4月、我が家はマレーシア移住をはたし、クアラルンプールで暮らしています。
海外居住者となってしまうと、日本の銀行や証券会社が利用できなくなると知り、居住国によらず無料(条件付き)で口座維持ができるアメリカの銀行口座(旧ユニオンバンク)と証券口座(Firstrade証券)の口座開設しました。
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2024年第4四半期から急騰を見せた宇宙関連株式市場。しかし、足元では高値警戒感が強まり、投資家の間で慎重なムードが広がっています。
特に注目を集めているのが、ARKXを筆頭とする宇宙関連ETF市場です。SpaceXの成功や、新政権下での防衛予算の拡大観測を背景に、aerospace(航空宇宙)セクターへの投資資金は依然として強い流入が続いています。しかし、バリュエーションの高まりや、金利上昇による成長株への逆風など、リスク要因も無視できない状況です。
そんな中、個人投資家にとって、どの宇宙関連ETFを選択すべきなのか。
本記事では、主要な3つのETF(ARKX、UFO、ITA)について、運用実績やリスク、投資戦略の違いを徹底的に比較・解説していきます。
特に注目すべきは、以下の3つのポイントです:
- バリュエーション:PERは25.8倍、PEG比率は2倍近辺まで上昇
- 業界動向:新政権下での宇宙開発予算の拡大期待
- テクニカル:ARKX $21の重要な節目、$18.70-$16.00がサポートレンジ
それでは、各ETFの詳細な分析に入っていきましょう。
はじめに
宇宙ビジネスの現状と成長性
宇宙産業は、近年急速な成長を遂げています。特に注目すべきは、商業宇宙産業の市場規模が2040年までに1兆ドルに達すると予測されていることです。
この成長を牽引しているのは、SpaceXやVirgin Galacticといった民間宇宙企業の台頭です。これらの企業は、宇宙へのアクセスコストを大幅に低減し、新たなビジネス機会を創出しています。
なぜ今、宇宙関連ETFに注目すべきか
宇宙産業への投資には、以下のような魅力があります:
- 高い成長ポテンシャル
- 技術革新による新規市場の創出
- 政府契約による安定的な収益基盤
- 衛星通信など、既存の収益源の拡大
しかし、個別企業への投資はリスクが高く、専門知識も必要です。
そこで注目されているのが、宇宙関連ETFです。
主要な宇宙関連ETFの概要
ティッカー | 運用資産額 | 設定日 | 経費率 |
---|---|---|---|
UFO | 3,340万ドル | 2019年 | 0.75% |
ARKX | 2.73億ドル | 2021年 | 0.75% |
ITA | 60億ドル以上 | 2006年 | 0.42% |
UFO: Procure Space ETF
Procure Space ETFは、純粋な宇宙関連企業への投資に焦点を当てています。衛星通信やGPS技術など、宇宙関連の事業から significant な収益を上げている企業に投資を行います。
ARKX: ARK Space Exploration & Innovation ETF
Cathie Woodが率いるARK Investが運用する当ETFは、軌道上および軌道下の航空宇宙技術に注目します。イノベーションを重視した積極的な運用戦略が特徴です。
ITA: iShares U.S. Aerospace & Defense ETF
最も規模が大きく、歴史のある航空宇宙・防衛ETFです。Boeing、Lockheed Martinなど、伝統的な航空宇宙企業への投資が中心となっています。
3つのETFの詳細比較
運用資産規模(AUM)と手数料
運用資産規模は投資家にとって重要な指標です:
- ITA:60億ドル超と圧倒的な規模を誇り、流動性も高い
- ARKX:2.73億ドルと中規模で、適度な流動性を確保
- UFO:3,340万ドルと比較的小規模
経費率については、ITAが0.42%と最も低く、UFOとARKXは同じ0.75%となっています。
投資戦略と組入銘柄の特徴
各ETFの主要な組入銘柄と投資アプローチを比較してみましょう:
ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)
- トップ3銘柄:
Raytheon Technologies (18.8%)
Boeing (14.42%)
Lockheed Martin (13.0%) - 総保有銘柄数:35社
- 特徴:大手航空宇宙・防衛企業への集中投資
ARKX(ARK Space Exploration ETF)
- 積極的な運用戦略
- イノベーション企業重視
- 衛星技術や宇宙探査関連企業に注目
- 新興企業への投資も積極的に実施
UFO(Procure Space ETF)
- 純粋な宇宙関連企業重視
- 衛星通信やGPS技術企業が中心
- Virgin Galacticなど、新興の宇宙企業も組み入れ
パフォーマンス比較
1年間のパフォーマンスでは、ITAが他の2つのETFを上回る傾向にあります。これは以下の要因によるものです:
- 確立された事業基盤
- 政府契約による安定収益
- 防衛関連支出の増加
一方、ARKXとUFOは比較的新しいETFのため、長期的なパフォーマンス比較はできません。
各ETFの特徴と投資のポイント
UFOの特徴と投資メリット
メリット:
- 純粋な宇宙関連企業へのエクスポージャー
- 新興の宇宙企業への投資機会
- 革新的な技術への投資
デメリット:
- 運用資産規模が小さい
- 流動性が比較的低い
- ボラティリティが高い
ARKXの特徴と投資メリット
メリット:
- 積極的な運用戦略
- イノベーション企業への投資
- 専門家による銘柄選定
デメリット:
- 比較的高い経費率
- 運用実績が短い
- リスクが高い
ITAの特徴と投資メリット
メリット:
- 大きな運用資産規模
- 低い経費率
- 高い流動性
- 長期の運用実績
デメリット:
- 一部の大手企業への集中
- 純粋な宇宙関連企業の比率が低い
産業分析と将来展望
宇宙産業の市場規模予測
宇宙産業は急速な成長が期待されています:
- 2040年までに1兆ドル規模へ
- 衛星通信市場の拡大
- 宇宙旅行の商業化
- 小型衛星の需要増加
主要な収益ドライバー
- 衛星通信
高速インターネット通信
地球観測サービス
GPS技術の応用 - 政府契約
防衛関連プロジェクト
宇宙探査ミッション
研究開発支援 - 宇宙旅行
商業宇宙飛行
軌道上ホテル計画
宇宙観光の発展
技術革新がもたらす成長機会
- 再利用可能ロケットの普及
- 小型衛星の低コスト化
- 新たな製造技術の開発
- 人工知能の活用
投資リスクと注意点
各ETFの固有リスク
UFO(Procure Space ETF)
- 小規模運用によるリスク
- 新興企業リスク
- 高いボラティリティ
ARKX(ARK Space Exploration ETF)
- 積極運用に伴うリスク
- 短い運用実績
- テクノロジーリスク
ITA(iShares U.S. Aerospace & Defense ETF)
- 特定企業への集中リスク
- 政府政策への依存
- 地政学的リスク
集中リスクと分散投資の重要性
各ETFの集中リスクは以下の通りです:
- ITA:上位3銘柄で46%以上を占める
- ARKX:アクティブ運用による分散
- UFO:宇宙関連企業に特化
これらのリスクを踏まえ、以下の対策を推奨します:
- 複数のETFへの分散投資
- 投資比率の適切な調整
- 定期的なリバランス
政府規制の影響
宇宙産業は政府規制の影響を受けやすい特徴があります:
- 輸出規制
- 安全基準
- ライセンス要件
- 周波数割り当て
投資家タイプ別おすすめETF
リスク許容度別の選び方
保守的な投資家向け:ITA
- 安定した運用実績
- 大手企業中心
- 低い経費率
積極的な投資家向け:ARKX/UFO
- 高い成長期待
- 新興企業への投資
- イノベーション重視
投資目的に応じた選択のポイント
- 長期投資重視 → ITAが最適
安定した配当、実績ある企業群 - 成長性重視 → ARKXまたはUFO
新技術への投資、高いリターン期待 - 分散投資目的
複数ETFの組み合わせ
セクター分散
リスク調整
ポートフォリオ構築の考え方
基本的なポートフォリオ構築例:
ポートフォリオ案 | ITA | ARKX | UFO |
---|---|---|---|
保守的 | 70% | 20% | 10% |
バランス型 | 50% | 30% | 20% |
積極型 | 30% | 40% | 30% |
まとめ
各ETFの総合評価
評価項目 | ITA | ARKX | UFO |
---|---|---|---|
総合評価 | ★★★★☆ | ★★★★☆ | ★★★☆☆ |
安定性 | ★★★★★ | ★★★☆☆ | ★★☆☆☆ |
成長性 | ★★★☆☆ | ★★★★★ | ★★★★★ |
コスト | ★★★★☆ | ★★★☆☆ | ★★★☆☆ |
投資を始める前の確認ポイント
- 投資目的の明確化
- リスク許容度の確認
- 投資期間の設定
- 分散投資の検討
- 定期的な見直し計画
宇宙関連ETFへの投資は、急成長が期待される宇宙産業への投資機会を提供します。
しかし、各ETFには固有のリスクと特徴があるため、自身の投資目的やリスク許容度に合わせて慎重に選択することが重要です。また、技術革新や規制環境の変化にも注意を払い、定期的なポートフォリオの見直しを行うことをお勧めします。
ではまた!
本記事の情報は2024年1月時点のものです。
投資に関する免責事項:本記事で提供される情報は、情報提供を目的としたものであり、法律や財務に関するアドバイスとして考えるべきではありません。あなた自身のニーズに最も適したものを決定するためには、専門家や弁護士に相談するべきです。本記事に掲載された情報に従う結果について、執筆者は何ら保証するものではありません。また、本記事における知識の使用や適用から生じた責任も免責します。投資にはリスクが伴います、元金の損失の可能性を含みます。過去のパフォーマンスは将来のリターンを保証するものではありません。歴史的リターン、予想リターン、確率的な予測が実際の将来のパフォーマンスを反映していない場合があります。全ての証券にはリスクが伴い、損失を招く可能性があります。私たちが使用する第三者からのデータは信頼性があると信じられていますが、提供されたデータの正確性や完全性を保証するものではありません。本記事は証券の購入や売却を勧誘または推奨するものではありません。執筆者は登録投資顧問ではありません。
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