こんにちは。ノマド家族のぱぱぞん(@nomadkazoku)です。
2005年に英語が苦手すぎて中国語留学(内モンゴル)で知り合ったぼくたち夫婦が「結局英語のほうが使うよね〜」と子ども達を連れて、2023年4月よりマレーシアで教育移住生活をスタートさせました。
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学校では日本語を話せない子どもたちですが「家庭内でも英語を使うように!」との指示が先生からは出されています^^;
しかし、やみくもに英語を話すにしても、子どもたちのレベルに合った内容でなければ、思うような効果が期待できません。
そこで、家庭内で実践しやすい勉強法を探してみたところ「TPRメソッド」なるものにたどり着きました。
TPRメソッドは、英語学習をより簡単に、より楽しく、そして最終的にはより成功に導くようにデザインされた画期的なアプローチです。
今回の記事では、そんな「TPRメソッド」について解説したいと思います。
TPRメソッドとは?
TPR(トータル・フィジカル・レスポンス)メソッドは、身体的な動作を通して言語を理解することを重視した、画期的な言語教育法です。
そもそも、子どもたちは生まれてから母国語を習得するまでに、ひたすら両親からの言葉をたくさん受取るだけの状態からスタートすることに着目し、言語初学者は「聞く→行動する の訓練」をたくさんしようぜ!という戦略です。
TPRの起源
TPRメソッドは、子どもたちが最初の言語を習得する方法からヒントを得ています。
幼児は言葉を話し始める前に、動作やジェスチャーにあふれた豊かな言語環境に数ヶ月間身を置きます。子どもたちは、見て、聞いて、徐々に言葉を周りの世界の動きや物に結びつけていきます。
TPRは、人間の自然な言語習得方法を再現し、ストレスのない魅力的な学習環境を提供することを目的としています。
TPRの基本原則
TPRは、話す前に理解することを重視し、受容的言語能力の基礎を築きます。
TPRの実践方法は、次の通りです。
教師(親):ターゲット言語(英語)で命令する
生徒(子):教師の指示に身体的に反応する
ルール:
① 初期段階では、生徒(子)は英語を話さず、教師(親)言葉を理解し、行動することに集中する
② 生徒(子)が慣れたら、教師(親)の命令(英語)を繰り返す
③ 最終的には、生徒自身の簡単な命令文を作成します
TPRメソッドの利点
TPRメソッドは、その理論的な裏付けだけでなく、実用的な利点もあります。
ストレスの軽減と楽しみの増加
TPRは、即座に言葉にするのではなく、行動に焦点を当て、楽しくプレッシャーの少ない学習環境を作り出します。 これにより、不安が大幅に緩和され、言語学習への肯定的な関連性が育まれます。
運動感覚的な学習スタイルに対応し、机での勉強が苦手な生徒にとっても効果的です。従来の方法のように、英語学習の重圧により継続を放棄してしまう可能性を軽減することができます。
記憶と保持の強化
TPRは、言語を身体的な動作と関連付けることで、学習者が語彙や文法の概念をより深く内面化するのを助けます。多感覚的なアプローチは神経回路を強化し、長期的な記憶を助けます。
この結びつきにより、動きを通じて言語理解が強化され、語彙やフレーズが容易に忘れられることはありません。
準備の容易さ
TPRは、教師(親)側が基本的な英語を身につけてさえいれば、道具などの準備が不要で、日常生活の中に柔軟に組み込むことが可能です。
様々なシチュエーションで応用可能なので、環境に応じた語彙を戦略的に増やすことも可能です。
家庭で(または教室で)TPRメソッドを実践するには?
TPRメソッドのすばらしさは、その適応性と実行のしやすさにあり、教師であろうと、親であろうと、その利点を活用することができます。
基本から始める
理解しやすく、実演しやすい簡単な命令や行動から始めましょう。
例えば、以下のようなものがあります。
- 立ってください。
Stand up, please. - 座ってください。
Sit down, please. - 手を挙げてください。
Raise your hand, please. - こちらを見てください。
Look here, please. - 笑ってください。
Smile, please. - 静かにしてください。
Be quiet, please. - 跳んでください。
Jump, please. - 書いてください。
Write, please. - 消してください。
Erase, please. - 読んでください。
Read, please.
段階的進行
学習者が慣れてきたら、より複雑な語彙や文型を導入すします。
簡単な動作から、より複雑なシークエンスやシナリオへと進んでいきます。
- ゆっくり歩いてください。
Walk slowly, please. - 速く走ってください。
Run fast, please. - 小さな声で歌ってください。
Sing softly, please. - ゆっくりと深呼吸してください。
Take a deep breath slowly, please. - 手を洗ってください。
Wash your hands, please. - 右を向いて、左手を挙げてください。
Turn right and raise your left hand, please. - 机の下を掃除してください。
Clean under the desk, please. - 窓を開けて、カーテンを閉めてください。
Open the window and close the curtains, please. - この単語をノートに3回書いてください。
Write this word in your notebook three times, please. - その本を棚に戻してください。
Put that book back on the shelf, please.
TPR活動とゲーム
サイモン・セイズ(Simon Says)、ジェスチャー、ロールプレイングなどのゲー ムを取り入れて、学習をより魅力的なものにしましょう。これらのアクティビティは、生徒のモチベーションを維持しながら、言語の理解を強化します。
サイモン・セイズ
遊び方:
- 指示役を決める:
一人が「サイモン」となり、他の参加者に対して命令を出します。 - 命令の出し方:
指示役は「サイモン・セイズ」と言った後に命令を出します。
【例】サイモン・セイズ、手を上げて!
もし指示役が「サイモン・セイズ」を省略した場合、その命令は無視します。
【例】手を上げて! - ゲームの進行:
正しく命令に従えなかったり、誤って「サイモン・セイズ」なしの命令に従ってしまった参加者は、ゲームから脱落します。 - 勝利条件:
最後まで残った参加者が勝者となります。
ジェスチャー
遊び方:
- 単語またはフレーズの選択:
指示役が表現する単語やフレーズを選びます。 - ジェスチャーの実演:
指示役は、声を出さずにその単語やフレーズを体で表現します。 - 当てる:
他の参加者は、指示役が表現している単語やフレーズを推理します。 - ポイントの付与:
正解した参加者にはポイントが与えられます。
もしくは、正解した参加者が次の指示役となります。
ロールプレイング
遊び方:
- シナリオの設定:
教師または参加者が、特定のシナリオや場面を設定します
【例】レストランでの食事、空港でのチェックイン - 役割の割り当て:
参加者にはそのシナリオ内で演じるキャラクターや役割が割り当てられます。 - 演技の開始:
参加者は割り当てられた役割に基づいて対話やアクションを行います。この過程で、新しい語彙や表現を使ったり、実際の会話スキルを練習したりします。 - フィードバックの提供:
演技が終わった後、教師や他の参加者からポジティブなフィードバックや改善点が提供されます。
これらの活動は、言語学習を楽しく実践的なものにし、参加者が新しい言語を身体的にも感じながら学べるように設計されています。
学習スタイルや年齢に応じたTPR
TPRは普遍的に有益ですが、さまざまなニーズに合わせて調整する方法を理解することは非常に重要です。
若い学習者にTPRを適応させる
幼児にとって楽しく魅力的な学習になるように、遊び心のある活動や歌、韻を踏むことに重点を置きましょう。ゲームやストーリーテリングにTPRを取り入れ、刺激的な言語環境作りを目指します。
大人の学習者のためのTPR
大人の学習者は、仕事や生活経験に関連した、より文脈に即した活動やシナリオが効果的でしょう。日常生活に関連した実践的なタスクやロールプレイにアクションをつなげる。
結論 TPRの力を取り入れる
今回の記事では「TPRメソッド」について解説しました。
TPRメソッドは、あらゆる年齢の生徒にとって、英語学習を楽しむことのできる強力なツールです。
即座にアウトプットすることよりも、インプットと理解を優先し、インタラクティブで楽しい学習をすることで、ポジティブで効果的な言語学習体験を育むことができます。
ぜひ皆さんのご家庭でも取り入れてみて下さい!
ではまた!